11月1日

10月が終わったという事実を私はまだ受け止めきれていない。仕事を済ませて、当日配信のポッドキャストを録り(まちがえて一回消して二回録ったので何を話したかところどころ覚えてない)夕方頃、新幹線に乗って祖父の家にiPhoneの設定するために自宅を出る。新幹線のホームでアイスの自販機を探そうと思っていたが、駅に着いた頃にはもう忘れていた。祖父と合流して、ご飯を食べに行った店で特に応援していない日本シリーズを観たり、賑やかな隣席の方々からバウアー投手のユーチューブの話を聞いたりした。CADを使ってグローブの解説してる動画は私も観たことがある。おそるべしサイ・ヤング賞の人。

0時過ぎ、祖父邸のはなれで眠る。家屋が古いのと山が近いのもあって自宅の五倍は寒さを感じる。エアーベッドなるものが置いてあったので試しに寝転がってみる。空気が抜けている状態だったのか、おそろしく寝づらい。マヂカルラブリーの「吊り革」くらい体勢を崩しながらしばらく寝てみたのだがどうにもうまく寝付けなかったので数年ぶりに畳の上に布団を敷いて寝た。寒すぎてねこくらい縮みながら寝た。

とうぜん、朝まで眠れる訳もなく三時間程で目が醒める。さむすぎ。今冬はじめての暖房を入れる。起き上がって部屋の中を見渡す。壁にかかってる古い絵を見ていたら、自分が自由に振る舞うことで人から嫌われてしまうんじゃないかという不安を私はあまり感じることなく生きてきたのかもしれない、といった考えが突然頭をよぎる。それなりに身勝手な振る舞いをしてきたくせに、恐れることなく自分らしく振る舞う訓練を積んでこなかった自分自身に対して絶望しそうになる。制限された自分の姿がそこにあり続けることや自由な振る舞いによって自身が嫌われてしまうことよりも、誰かの自由を受け止められない自分が存在することのほうがなによりも恐ろしい気がするので、せめてこれからは自由に振る舞うことが自然にできるようにならなければとか、そんなことまで考えても結局眠ることはできなかったので諦めて本棚から分厚めの本を持ってきて読んだ。何冊か持ってきたうちの一冊は辞典だったが、それも読んだ。

朝の光で障子が透けていくさまを眺めながら手元では無意識にiPhoneのロックを解除していたので目をやると、見覚えのないアプリのアイコンが画面上に映り込んでいた。おや、なんか微エロのアプリゲームでもダウンロードしてしまっていたかな、と一応確認したらSHEINのアイコンだった。まぎらわしい。ブラックフライデーなのかよ。